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写真日記

Nikon D3100とPanasonic Lumix GM5

修正

日常

ぺんてるの極細修正液を使い始めたのは、たしか中学二年生の頃だった。

当時、マンドリン部に入っていた。パート毎に譜面を買う予算はなく、指揮者用のスコアをコピーしてはパート用に写譜をしていた。もちろん手書きで、パートの下っ端はスコアが配られる度に鬼のように五線譜にボールペンを走らせていた。御多分に洩れず、当時は僕も下っ端の一人だった。

夜更かしして寝ぼけ眼で写譜をするものだから、とにかく間違いが多い。三連符が四連符になることは日常茶飯事。酷いときは主旋律を書いてるはずなのに途中から副旋律になっていて、朝になって大慌てすることもあった。副旋律はさすがに五線譜ごと新しく書き直したけど、細かい譜面の手直しはぺんてるの修正液が大活躍だった。先が細くて五線の間を縫うように走ってくれて、乾いた後もボールペンのインクが乗りやすくて、大事に大事に使っていた。 その後、怪我で部活は辞めてしまったけど、修正液は使い続けていた。

今日、修正液のインクが切れた。仕事中にふと仕様書の誤字を見つけて、三文字ほど直しているときのことだった。前触れもなく、突然のことだった。悲しみはなく、長い付き合いの友人が遠くに行ってしまったような、静かな虚しさだけが残った。